医療従事者にとって方言の理解は必須

医療の現場において、方言への理解も大切とされています。特に患者と意思疎通を行ううえで方言は重要なポイントになることも多いでしょう。その地域に根差した言葉や表現を理解することは、相手に理解を示し、共感や安心感といった感情を伝えることにも繋がります。

反対に、方言が分からないことで聞き返したり、質問を繰り返したりすると、患者へストレスや不信感を与えかねないので注意が必要です。また、患者の言いたいことが分からないことも問題ですが、正確に把握できなかったり、勘違いしてしまったりといったことになれば、治療や診断に支障をきたしかねません。

医療従事者同士が話す場合には、お互いに仕事という側面があるため方言を理解できなくても、それ程大きな問題になることは少ないものです。しかし、患者と医療従事者では、言葉によるコミュニケーションがうまくいかないと、些細なことでも問題に発展しやすい可能性があります。時として方言はコミュニケーションの妨げにもなりかねません。そのため、医療従事者で方言が理解できない場合には、大きなハンデを背負うことにもなるでしょう。

また、医療の力を必要とする割合が多い年長者ほど、その土地に長く親しんでいるため、方言を使用する割合は増えるということも頭に入れておきたい部分です。理解力や判断力が低下してくる年齢にさしかかると、聞き返されることはもちろん、方言の意味を問われることも大きな負担となるでしょう。医療従事者への不信感に繋がれば、治療を拒否されたり、治療半ばで転院されたりといったことになりかねません。
医療従事者は、高齢化や災害時などに備え、方言を習得するなどのコミュニケーションへの備えが求められています。